このエントリーをはてなブックマークに追加

列車で食べる雰囲気 二葉寿司

【二葉寿司】豊中市蛍池中町1-3-16▽11時~14時半、17時~22時▽火曜定休▽06-6841-5531

 阪急蛍池駅近くに、国鉄のころに主流だった白色の駅名標を店頭に置いた「二葉寿司」がある。創業1956年、大阪モノレールや蛍池駅前ビル開発によって移転を繰り返したが、ずっと蛍池で営業を続けている。今は2代目の中松康彦さんがすしを握る。

 中松さんは、2006年に内装をガラリと変えた。時代の流れもあって、個人宅への配達が少なくなり、カウンターのあるすし店独特の敷居が高いイメージは若い人に敬遠された。「このままではつぶれる。やりたいようにやってみよう」と腹をくくった。妻和子さんの「思うようにしたら」の一言も支えになった。

 気楽にすしを食べられる店にしようと、趣味で集めていた鉄道部品を使うことを思いついた。真ん中に大きく「ふたば」と記した駅名標は、新鮮な魚が二葉寿司に入ってくるよう、左右に日本海、太平洋と書いた。「わざと海を逆に表記したのは、あれ?と、印象に残るよう遊び心を加えた」と中松さん。店内はお座敷列車、客車列車、寝台特急「カシオペア」のラウンジをイメージした3つの部屋を作り、グリーン車、自由席のプレートや駅名看板などを飾った。客車列車は走行音が聴けるようにした。

 「熱狂的な鉄ちゃんではないけれど、国鉄のキハ58系気動車が好きで部品を集めた。国鉄の切符をイメージした名刺も作った」と、照れた。

 中松さんは「すし屋は魚が命。満足感がないとあかんから、ネタは大きめ」と言う。先代の父から受け継いだ、塩だけでしめたバッテラと、とろけそうな煮アナゴが看板となっている。秋サバのバッテラは身がピンク色で、味も格別だそう。

 ランチは1000円~2000円。二葉セットはにぎり4カンと五目巻5カン、出し巻き、吸い物、サラダ、デザートが付いて1500円。取材日は煮アナゴ、タイ、あぶりサーモン、エビのにぎりだった。デザートのイチジクアイスは川西産イチジクを使った中松さんのオリジナル。このアイスが食べたくてやって来る客もいる、知る人ぞ知る人気メニューとなっている。

 (進藤郁美)

二葉寿司 豊中市蛍池中町1-3-16 鉄道ファン キハ58

更新日時 2011/03/30


関連地図情報

関連リンク