食で伝える幸せ ビストロ疋田
店内に飾ってある絵の前で満面の笑みを浮かべているのは、ビストロ疋田(ひきた)のオーナーシェフ、疋田恒朗さんだ。「お客さんが描いてくれた似顔絵がタマネギ。そっくりでしょ!?」
疋田さんはシェフとして料理を作るだけではなく、ソムリエの資格を持つワインの専門家であり、フランスチーズ鑑評騎士という称号を持つチーズの専門家でもある。さらにフードコーディネーターであり、ふぐ調理師だ。
子どものころから、おいしく作るにはどうしたらいいのかと、考えながら料理するのが好きだった。料理人になりたくて、15歳でホテルに入った。「最初はまかない係。365日のおかず本を買った」と笑う。休日はレストランや日本料理店で修行した。27歳の時、「無性に作りたくなった」と、パーティー会場で作るなど、出張料理人も始めた。これをきっかけに本格的にフランス料理を勉強した。子どものころは大嫌いだったチーズやワインにもどっぷりのめり込み、2004年、ビストロ疋田をオープン。06年にはチーズショップも作った。
「食で幸せになる」という疋田さん。「料理人は、子どもたちに夢を与える仕事だと伝えたい」と、続ける。店では子ども向けの料理教室を開き、子ども向けコース料理(1500円~)も用意している。11月30日まで、「食・農OSAKA2010小学生アイデア料理コンテスト」(JAバンク大阪主催)で優勝した茨木市立彩都西小学校6年3組の「WE LOVE 大阪産パラダイスランチ」を、子どもたちのレシピ通りに再現している。1000円(夜はパスタとデザートが付いて2800円)。
ランチは1000円~5000円のコース料理が4種類。
この冬のおすすめを尋ねると、「最近は山梨ワインがおいしい。甲州地鶏や甲州ワインビーフと一緒に味わって欲しい」と言いながら、「自分で言うのもなんやけど、ふぐのブイヤベースがむっちゃおいしいですよ」と、タマネギそっくり笑顔を見せた。
(進藤郁美)
=地域密着新マチゴト豊中・池田」第9号(2010年11月3日)
更新日時 2010/11/15