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編集長のズボラ料理③ カリフラワーのヘレカツもどき

思い込めば、ヘレカツの味がするはず

 毎日新聞旅行のツアーに、「梶川伸と行く四国八十八カ所ウオーキング・ザ・空海」という赤面するようなシリーズがあり、先達(案内人)を引き受けている。1カ月に1回、1泊2日で四国に行き、14回で結願する(個別の回の参加も可)。昔からの心地良い遍路道を歩き、あとはバスで移動する、虫のいい遍路だ。お参りは真剣なのだが、温泉のある宿に泊まり、地元のものを食べ、ちょっと寄り道をして観光も楽しむ。気楽な遍路である。
 参加者には年配の女性が多く、みんな買い物が好きだ。道の駅に寄ると、どっさり買い込む。ほとんどが食材である。家の近くのスーパーで買えば良いのに、と思うのだが。ユズの産地の宿に泊まった時、100円でユズの詰め放題のサービスがあり、多い人は45個も抱えて帰った。そのうえに、いつもながらの大量の食材も持って。
 そんな女性なので、食べ物の話には花が咲く。「カリフラワーがヘレカツになる」という話も出て、「ほんまかいな」と思いながらも、作り方を教えてもらった。
 カリフラワーは笠の部分の直径で5センチほどに切って、軽く塩を入れた湯で30秒ほどゆでる。水気を切って、ヘレカツの要領で衣をつける。小麦粉、卵、パン粉の順。それを油で揚げて、でき上がり。食べる時にはソースをつけるのがミソ。僕は大阪市東住吉区のヘルメスとんかつソースが気に入っている。
 では、実際にヘレカツになっているのか。確かに、変身している。ただし、とんかつソースをつければ、何でもそうなるのかもしれないが。
 僕は気に入っている。友人にも話す。ある日、友人から電話があった。「里帰りした娘にレシピを教えてくれ」。会ったこともない娘さんに、得意げに伝えた。彼女は自宅でも作って、ふるまっていることだろう。家はドバイである。かくして、中東の人はヘレカツと言えば、カリフラワーだと思っているはずだと、ほくそ笑む。(梶川伸)
=地域密着ウェブ「マチゴト豊中・池田ニュース」第10号(2010年12月2日)

カリフラワー

更新日時 2010/12/01


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