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自然を味わう ばんまい

【ばんまい】池田市鉢塚3-15-5A▽10時~17時▽無休▽電話072-761-0064。店近くの自家農園で有機野菜について語る山田久さん

 国道176号沿いに、20メートルほどの大木に囲まれたログハウスがある。1階は有機農産物を販売する「やさいの広場」、2階が自然食レストラン「ばんまい」。「せこせこせず、緑豊かな自然の中でゆったりとした時間を過ごしたい」と、19年前に、(有)手仕事屋代表、山田久さんが作ったログハウスだ。大木は、開店時に植えた苗木と、鳥や動物が種を運んできたものが大きくなったのだと、山田さんは語る。
 山田さんは、大学で有機化学を学び、旧通産省工業技術院、食品香料会社を経て、25年間、能勢町で原木栽培にこだわったシイタケ専業農家を営んだ。
 「当時は有機農業という言葉はほとんど使われていなかった。有吉佐和子著の『複合汚染』、レイチェル・カーソン著の『沈黙の春』という本が有機農業へ進む火つけ役になった」と話す。
 農薬の怖さを知ると、安心して食べてほしいという願いは強まる一方だった。ばんまいは、有機野菜や果物、抗生物質などを使わないエサで飼育した鶏、豚、牛肉、卵、できる限り天然の旬の魚を使う。栄養バランスのとれた日替わりランチメニュー「本日のばんまい定食」(1260円)は、魚か肉のメーンと小鉢2つ、ご飯、みそ汁、フルーツがセットになっている。この日は、サバの梅煮か鶏つくねとトウガンのあんかけ、青菜のかえりチリメン和え、長いものショウガみそ煮、アワと黒米の7分ごはんか黒米と小豆入り玄米だった。
 「ここまで青々とした大木に育つまでの間には、つぶれかけたこともあった。それでも手間と時間をかけ、本物にこだわったものしか出さない信念でやってきた。意地やな」と山田さん。
 ニレ、ビワ、クルミのほか、山田さんが自身のシンボルだと言うシイタケの原木、クヌギの大木が、ばんまいを見守っている。
 (進藤郁美)
=地域密着新マチゴト豊中・池田」第5号(2010年9月4日)

ばんまい 手仕事屋 池田市鉢塚3-15

更新日時 2010/09/21


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