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サイフォンコーヒーひと筋40年 サンチョ・パンサ

【サンチョ・パンサ】豊中市庄内東町2-1-23、誠宏ビル1階▽8時~18時(日曜、祝日は~12時)▽水曜定休▽06-6331-9868

 阪急庄内駅近くの喫茶店、サンチョ・パンサは開店して約40年になる。サイフォンコーヒーの専門店で、足立照子さんは「40+40=80」と言う。その意味を、「40歳の時に始めて今、80歳」と説明する。
 開店のきっかけは、豊中市本町にあったサンチョ・パンサという名の喫茶店だった。サイフォンコーヒーを飲ませる店で、コーヒー好きの夫の芳郎さんと行ったことがあった。ゆったりとした店内の雰囲気が気に入った足立さんは、こんな店を開きたいと思ったと振り返る。芳郎さんは「コーヒー専門店なら」とOKしてくれたそうだ。
 当時の店長にかけあい、手ほどきを頼んだ。すると、店長は嫌な顔ひとつせず、店の内装からコーヒー豆や砂糖の仕入れに至るまでノウハウを教えてくれたという。「店名ももらった」とうれしそうに話す。出来上がった足立さんの店は「本町の姉妹店?」と尋ねられるほどだったそうだ。
 あめ色になったカウンターやランプ、小説「ドン・キホーテ」に出てくるサンチョ・パンサを描いた絵画などは開店当時からのもので、「一緒に年を重ねてきた」と足立さん。「山あり、谷あり、川あり、トンネルも抜けて今がある」と笑顔を見せる。
空気圧を利用した抽出法「サイフォン」で入れるコーヒーは、「芳ばしい香りと口当たりの味わいが魅力」と足立さん。手間はかかるが、サイフォンにこだわってきた理由だ。「大学生から80代の長老まで、いろいろな人がコーヒーを飲みに来てくれる。これからも庄内の憩いの場所でありたい」と続けた。「母も高齢なので」と、4月からは2人の娘が、足立さんの思いを引き継いで店を切り盛りしている。
 ブレンドコーヒーは400円。モカやキリマンジャロ、コロンビア、ブルーマウンテンなど専門店ならではのコーヒーもある。ほかに、サンドイッチセット650円、ケーキセット550円などがある。(進藤郁美)
=地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」第51号(2013年5月9日)

更新日時 2013/05/08


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