中国・西安の味を伝えたい 五龍
阪急庄内駅近くの五龍(ウーロン)は、中国・西安出身の陳振玲さんが2011年1月に開いた。「西安は小麦の産地で粉文化が発達している。細いものから太いものまである麺(めん)の料理や、まんじゅう、ギョーザなど西安の中華を知ってほしい」と、ふるさとの味を提供する。
西安は民族が交錯するシルクロードの入り口で、各地のレシピが集っているという。「料理はトウガラシをふんだんに使った四川料理と、羊肉を使うイスラム料理の影響を受けている」と陳さんは説明する。メニューにはシシカバブ、羊肉炒めなどもある。「店に出しているメニューはほんの1部。予約してもらえれば、これぞ西安という料理を作ります」と意気込む。
もともと料理が好きだった陳さんは家庭の味を基本に、独自の味付けを研究してきた。マー(サンショウ)を多め使ったマーボー豆腐や自家製万能タレで仕上げる焼きソバは人気を集める。手作りにこだわる水ギョーザは、厚みがあってモッチリした皮に、豚肉、エビ、ハクサイなどで作った具がたくさん入っている。
店を手伝う料理人の桝田一彦さんは「陳さんの味はまだ変化していく。西安の料理を楽しみに来るお客さんのためにも成長を続けないといけない。成長が止まったら味は落ちる」と手厳しい愛情を注ぐ。2人は時々、爆竹のようなけんかをするという。「店のために一生懸命になるほどけんかになる」と笑っていた。
ランチは6種類。酢豚、マーボー豆腐、野菜炒めがメーンになった定食はそれぞれ鳥の唐揚げ、サラダ、スープ、ご飯、漬物、果物が付いて700円。他にも、焼きソバ定食、ラーメン定食などがある。夜は中華風おばんざいの店に様変わりする。(進藤郁美)
更新日時 2012/10/11