ミートソースに託す夢 食堂カフェポット
北大阪急行桃山台駅を北へ歩き、新御堂筋と府道2号線が交差する南東角にミートソースとパンケーキの店「食堂カフェpotto(ポット)」が7月4日、オープンした。オーナーの田端弘一さんは「気の合う仲間とくつろいだり、1人でものんびりできたりする時間を提供する空間にした」と話し、「30~40代女性を中心に9割が女性で、子ども連れの来店が多い」と驚いている。
田端さんは、居酒屋など飲食店を展開する株式会社きちりの副社長を務めていた。40歳までに起業する目標を立て、個人事業主になる道を選んだ。「名刺がなくなると、人、物、金、情報が入らなくなった。弱者になったことを実感した」と語り、「ちっちゃな人間でも、必要とされる存在になる」と奮起した。世界で年間8億人が餓死する現状を知り、食を通じて役に立ちたいという強い思いがあるという。
パスタではなく、あえてミートソースを柱に据えたのは、「栄養価が高く、安価で、保存性が高い食べ物を届けたいと思ったから」と田端さん。「富山の薬売りのように、1人暮らしや高齢者宅に届ける仕組みも作りたい」と続ける。大きな夢は、外国で孤児院を作ることだと笑顔を見せる。
ミートソースは田端さんが考えたオリジナルレシピ。牛スネ肉の千本筋という部位を使い、ビーフシチューに近い味を出している。1年半ほどかけて試行錯誤を繰り返した自慢の味だという。
ミートソースは平麺(めん)、細麺、ニョッキ、4種のチーズを包んだハート型の生パスタから選べて590円。クリームソースもある。パンケーキはチョコレートやマカデミアンナッツソースなど5種類あり、それぞれ590円。テイクアウトもできる。(進藤郁美)
更新日時 2012/08/09