路地奥の和ごはん ベジタブルキッチン・コニシ
阪急服部駅から路地を右や左に曲がりながら南西方向へ行ったところに、体にやさしい料理の店「ベジタブルキッチン・コニシ」がある。小西武さん、泰子さん夫妻が自宅マンションの2間を改装して2010年5月に店を開いた。
「娘に、お母さんのご飯がおいしかったから、健康でいられる」と言われたことがうれしくて、ずっと心に残っているという泰子さん。この言葉がきっかけとなり、料理教室など食育につながる仕事をしたいと思うようになった。50歳を超えて調理師専門学校の門をくぐった。「過酷でしたが、料理の幅が広がった」と楽しそうに話す。
武さんは病院の事務長を定年退職し、店で接客を担当する。サービス業は初めての武さんに、お客さんは「最近やっと慣れてきた」と温かい笑みを向ける。
武さんは「肉ジャガが原点やと思うけどな。ほんまにうまい」と照れ臭そうに話してくれた。料理はすべて泰子さんが手作りする。豊中市・庄内の豊南市場で仕入れた旬の野菜やヒジキ、高野豆腐、切り干し大根など乾物類を多く取り入れた和食を中心にしている。「和ごはんと名付けているんです」。しょうゆ、砂糖、みりん、酒、みそなどを使った日本の味を食べてもらいたいと、寝る間も惜しんで料理の仕込みをする泰子さんだが、9月にパン教室の講師の資格も取得した。「メキメキ腕をあげて、料理教室やパン教室も開きたい」と、頼もしい。
ランチは日替わりのほか人気のサケの塩焼きやおからヒジキのコロッケ、天ぷら、ヒレカツなどがある。メーン料理におかずが2種類、ご飯、みそ汁、香の物が付いて700円~850円。取材日の日替わりは豆腐とチーズの春巻きに、シュウマイ、四方竹(しほうちく)の炊き合わせと、クズで作る峰岡豆腐だった。弁当のテイクアウトもある。(進藤郁美)
更新日時 2011/11/02