このエントリーをはてなブックマークに追加

阪急ものしり帳(25) 服部駅と服部天神駅

箕面有馬電気軌道が開業前に作ったはがきの路線図には「服部天神」となっている=小林一三記念館の資料から

 前号で、服部駅が12月21日に服部天神駅に変わることを書いた。その取材の過程で、阪急の前身、箕面有馬電気軌道が創業した時(1910年3月10日)の駅名がはっきりせず、阪急文化財団にお願いして、古い資料にあたってもらった。
 財団には、電気軌道が関係者に「来春開業」を知らせたはがきが残っている。はがきの下半分はあいさつ文で、箕面の紅葉に触れ、「(梅田から)二十五分間に一寸(ちょっと)遊びにこられることになりました」などとPRしている。上半分は簡単な路線図。主な駅名だけを書いていて、「服部天神」の名前も見える。
 また、電気軌道は開業日の大阪毎日新聞(毎日新聞の前身)の3面に、1ページを使った大きな広告を載せた。これにも路線図がついていて、やはり駅名は「服部天神」となっている。「梅田ヨリ往復 池田二十八銭」「朝五時ヨリ夜十二時マデ絶ヘズ運転ス」などの文字も見えて興味深い。
 一方で、開業後の資料には服部駅となっているものが多い。雑誌の付録の「箕面回遊双六(すごろく)」にも、「服部」と表記されている。2つの駅名が混在しているが、阪急文化財団は「広告物なので、通称名を使っていることも考えられ、はっきりしたことは分からない」と話している。(梶川伸)
=地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」第57号(2013,11,14)

箕面有馬電気軌道 箕面回遊双六 服部天神駅

更新日時 2013/10/30


関連リンク