阪急ものしり帳(23) 運転士への道
駅の勤務を2年、さらに車掌を3年務めると、運転士試験を受けることができる。試験は毎年6月にあり、合格すると正雀駅近くの教習所での研修に入る。
最初の3カ月は、電気、信号、線路などに関する知識を習得する。次に正雀車庫の電車を使って、4カ月の実技講習。4つの段階に分かれ①指導員が運転するのを立って見ている②指導員の言う通りに操縦する③基本的に指導を受けずに操縦する④仕上げとして、全部自分でする。その間に、どのくらいの距離で電車を止められるかなどを、肌感覚で覚える。教習所第二係長の松本修さんは「雨が降っていると、ブレーキが思うようにきかず、怒られたこともあり、よく汗をかいた」と、研修時代を振り返る。
実地試験には、出庫点検、故障の処置、不具合の発見、非常時の措置などがある。また、4つの駅で①ブレーキ試験②距離の目測③速度の把握、などについて行う。試験官が「今の速度は?」と質問し、正しいスピードを即答するテストもある。
合格は80点以上。近畿運輸局から免許をもらうが、免許証は会社で預かるのだという。(梶川伸)
=地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」第55号(2013.09.12)
更新日時 2013/08/19