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乳がんの基礎知識と治療法 11月16日、すてっぷで地域健康フォーラム

岡部聡寛・上田病院長

 乳がんは女性のがんの中で最も多く、しかも年々増え続けている。日本乳癌(がん)学会の調査によると、2009年は年間の新規患者が約4万人だったが、2010年では約4万8000人に増えた。乳がんは早期発見、早期治療をすれば治るがんになってきたが、他のがんに比べて検診率の低さが問題になっている。
 マチゴトは11月16日、医療法人善正会上田病院(豊中市庄内幸町4)の岡部聡寛院長を講師として招き、乳がんをテーマとした地域健康フォーラムを開く。上田病院は豊中市の乳がん検診指定施設で、岡部さんは乳腺専門医だ。岡部さんには乳がんの基礎知識や検診の種類、治療法について話してもらう。フォーラムは11月16日(土)午前10時から、豊中市玉井町1、とよなか男女共同参画推進センター「すてっぷ」で開く。(早川方子)

◇岡部聡寛・上田病院長
◆早期発見が最大の予防
  乳がんは、乳房にある乳腺組織から発生するがんだ。40代後半から50代前半の女性に多く、まれに男性がかかることもある。患者数が年々増え続けている理由としては、晩婚化や食生活の変化、喫煙など諸説あるが、なぜ乳がんになるのかの理由はわからないまま。岡部さんは「妊娠・出産の経験がない人は経験者に比べて罹(り)患率が2~3倍多いなどのデータは出ています。太っている人に多いとか、社会的地位が高い人に多いというデータもありますが、あくまでデータがあるだけで、明らかながん遺伝子以外は原因不明です。原因がわかれば予防もできるのですが、わからないので、結局は早期発見こそが最大の予防となるのです」と話す。

◆検診率の低さが問題
 乳がんは、初期には痛みや体調の悪化などの症状がほとんどない。そのため、早期に発見するには、定期的な検診が必要となる。検診では、圧迫板で乳房を挟んでレントゲン撮影する「マンモグラフィー」が有効だ。マンモグラフィーは1ミリ程度の小さながんでも発見できるという。乳がん検診では医師による触診も併せて行われるが、触ってわかる程度まで育ったがんに対してのみ有効なため、やはり早期発見にはマンモグラフィーが必須だという。
 乳がんとわかった場合、基本的にはがんを切り取る外科手術が主流となっている。治療には外科手術のほか、抗がん剤による化学療法や放射線治療、ホルモン療法などがある。がんを切って、その悪性度をみて治療法を決める必要があるため、どの治療法でもいずれかの段階で外科処置が必要となる。
 乳がんの場合、早期であれば95%以上の高確率で治るとされているため、必要以上に怖がることはない。しかし問題は早期発見のための検診率が低いことにある。厚生労働省は受診率50%を目標としているが、国立がん研究センターがん対策情報センターによると、2010年の乳がん検診受診率は全国平均は24.3%で、大阪府は20.1%、豊中市では16.2%にとどまっているのが現状だ。岡部さんは「早く見つけるほど手術も小さくできるし、抗がん剤も減らせる。また、医者にとっても患者にとっても治療法の選択肢が増える」と検診の重要性を訴えている。

【主催】 毎日新聞ローカル
【日時】 11月16日(土)午前10時 ~11時30分 (9時30分から受け付け)
【受講料】 無料(要申し込み) 
【定員】 30人(先着順)
【会場】 豊中市玉井町1-1-1、とよなか男女共同参画推進センターすてっぷ
    (阪急豊中駅直結、エトレとよなか5階)
【申し込み方法】①名前②年齢③性別④住所⑤電話番号⑥乳がんに関する質問があれば明記し、ファクス(06-6346-8256)か、はがき(〒530-8251 大阪市北区梅田3-4-5 毎日新聞ローカル「マチゴト編集部」)、またはメール(info-toyonakaikeda@machigoto.jp)で申し込みを。電話(06-6346-8255=平日の昼間)でも受け付けます。

更新日時 2013/10/09


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