このエントリーをはてなブックマークに追加

地域健康フォーラム:満足のいくお産への準備と心構え

直原廣明(じきはら・ひろあき)さん

 マチゴトは2014年2月2日、豊中市玉井町1、とよなか男女共同参画推進センターすてっぷで、妊娠・出産をテーマとした地域健康フォーラムを開く。直原ウィメンズクリニック(豊中市新千里南町2)の直原廣明院長を講師に迎え、出産に向けた心構えや準備、女性が本来持っている「産む力」について話してもらう。
 これから出産する人や、いつか妊娠したいと願っている人、父親になる人、孫を持つ予定の人など、年齢や性別にかかわらず誰でも参加できる。定員は25人。先着順。フォーラムは9時半に受け付けを始め、10時に開会する。=フォーラムは実施ずみ(早川方子)

◇直原廣明・直原ウィメンズクリニック院長
◆母になる自覚を
 「出産をひかえた女性にとって重要なのは“私は赤ちゃんを産むんだぞ"という強い気持ちです」と直原さんは言う。出産をしっかり自覚し、妊娠期間を有意義に過ごした人ほど、満足のいくお産ができるからだ。「出産するのは自分」「早くわが子に会いたい」と強く思えば母性本能も芽生え、赤ちゃんへの愛情も増す。「赤ちゃんを思いやる気持ちはお母さんの自信へとつながります。それが満足のいくお産にもつながる訳です」
 逆に妊娠しているのに実感がわかない場合は、母になる準備が整っていないのかもしれない。直原さんは「いきなり自覚しろと言われても難しい。そんな時はお腹に話しかけるなどして、コミュニケーションを取ること」とアドバイスする。「どうせ言葉なんてわからないし」などと考えてはいけない。直原さんは「赤ちゃんはちゃんと理解できます」と強調する。名前が決まっていれば、名前を呼んで「早く会いたいね」「お母さんもがんばるからね」と会話するのは大切なプロセスなのだ。

◆産む力を育てよう
 では、満足のいくお産とはどういうものなのか。それは、無痛分娩(べん)であれ自然分娩であれ、産婦が持てる力を最大限に発揮できるお産のことだ。そのためには前もって医師や助産師とよく話し合い、出産方法などを具体的に考えておくのもひとつ。赤ちゃんと対面した時を想像するなど、前向きなイメージも必要になる。
 直原さんは「本来、女性は"産む力"を持っている。ただ、最近はこの力が弱ってきているように感じます」と心配する。昨今は妊娠しても仕事を続ける女性が増えた。「キャリアも大切だが、事情が許せば妊娠中は仕事を減らす努力をしてほしい」という。妊娠中はリラックスして生活にゆとりを持つことが大切で、体を冷やさない、座りっぱなしの姿勢は避けるなど、「常に赤ちゃんを思いやる生活」が産む力を養うからだ。産む力が弱まると、出産は辛いものでしかなく、中には「2人目はもう産みたくない」という人もいる。「それはあまりにも悲しい」と直原さんはいう。「女性にとって妊娠・出産は幸せな人生の一大行事。満足いくお産ができれば育児生活にもスムーズに移行できる。出産が大切な思い出になるといいですね」と願っている。

◇直原廣明(じきはら・ひろあき)さん
 大阪医科大学卒業。大阪大学医学部付属病院、米国オハイオ州シンシナチ小児病院、市立吹田市民病院などを経て、現在は直原ウィメンズクリニックの理事長で院長。同クリニックは院内でミニコンサートや母親教室を開くなど、地域コミュニティーとのつながりも強い。プライベートでは1男1女の父。年に2回ほど、近隣の小学校で命をテーマとした話をしている。「生命に関連することだから」と、宇宙について書かれた本を好んで読んでいる
=地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」第59号(2014年1月16日)

更新日時 2013/12/19


関連地図情報

関連リンク