このエントリーをはてなブックマークに追加

身近な生き物たち㉕ 広がるナラ枯れ被害

刀根山病院の敷地内にある、ナラ枯れ被害木

 マチゴト52号(2013年6月13日発行)で、池田市の五月山で広葉樹が立ち枯れるナラ枯れが出ていることを伝えた。被害はその後も広がっており、豊中市の島熊山や千里地域でも確認されている。
9月18日に、大阪府立刀根山高校(豊中市刀根山6)で、ナラ枯れ防除の研修会が行われ、大阪府中部農と緑の総合事務所の馬場玲子さんが府内の現状と、対策について講演した。
 大阪府内では2009年に高槻市で初めて確認された。その年の被害面積は102平方メートルだったが、徐々に被害地域を南へ広げ、2012年には八尾市や四條畷市を前線として、被害面積も2455平方メートルに拡大している。
 刀根山高校の裏山でも、2013年8月に被害が確認された。同校生物エコ部の生徒が原因となるカシノナガキクイムシの開けた穴を調査したところ、根本付近を中心に200カ所以上が確認できた。また、高校から南西にある刀根山病院の敷地内でも、数本がナラ枯れとなっている。市販の殺虫剤を穴に直接噴霧するのが効果的だが、馬場さんは「木への影響がどうなるかわからない段階では、使用は控えてほしい」と話している。
 馬場さんによると、幹の直径が30センチを超えると、ナラ枯れの被害が激減するという。「昔はそれ以下の太さの木は、薪やキノコの原木にするため伐採していた。今はそんな管理をする山もなくなり、虫にとってはごちそうがたっぷりある状態」と、更に被害が拡大することを懸念している。(礒野健一)

更新日時 2013/10/08


関連地図情報

関連リンク