北摂麺大使㉒ 豊中市・麺家 五大力
豊中市東豊中の「麺(めん)家 五大力」は、13年前にオープンした当初から、コンソメベースのスープでラーメンを作り、老若男女から人気を博している。
店主の久保昌利さんは、フレンチを10年、イタリアンを15年、みっちり経験を積んだ料理人だ。「ラーメンは誰もが気軽に食べられる。奇抜なことをやっても、邪道にならない懐の深さもある」と、その楽しさを語る。「仕込みの合間に営業をしている感じ。原価率も高いし、経営者としては失格だけど、料理人として手は抜きたくない。食べに来たお客さん、特に子どものお客さんに『おいしかった』と言われると、苦労は全部吹き飛ぶよ」と笑う。
夏には毎年違うテーマで、冷たいラーメンを作る。今年はイタリア料理の「バーニャ・カウダ」をアレンジして出した。アンチョビとニンニクの風味が効き、コンソメのジュレは見た目にも涼やかだ。ビシソワーズのつけ汁に麺を付けて食べるも良し、一気にかけて混ぜながら食べるも良しだ。これまで冬季限定だったタンタン麺も、この夏は出す。「食べたいって人がいるからさ」。休む暇のない久保さんだが、表情は充実している。(礒野健一)
【麺家 五大力】豊中市東豊中町5-30-25-105▽06-6857-5559▽11~24時(23時半ラストオーダー)、平日15~17時は休憩▽月曜定休
更新日時 2013/08/08