阪急ものしり帳⑱ 運転士の勤務
運転士の勤務体系は複雑だ。宝塚線を例にとって、阪急電鉄広報部に説明してもらった。
宝塚線は、1日に約100人の運転士が勤務する。出勤場所は雲雀丘花屋敷駅。駅に運転士の詰め所や、宿泊施設があるからだ。列車は早朝から深夜まで運行するので、運転士の出勤時刻はそれぞれ違うが、運転をする起点や、運転士の交代はこの駅になっている。
深夜の列車は雲雀丘花屋敷駅に近い平井車庫に入り、運転士は駅で宿泊する。朝早い列車は、宿泊者が運転する。
1度の乗務は、梅田までの往復、宝塚までの往復、梅田から宝塚を回ってまた戻るなど、いくつかのパターンがある。乗務が終わると、30分から1時間程度の待機時間となる。同じ日に、宝塚線以外に神戸線や京都線に乗ることはない。
運転士の交代には、ちょっとした儀式がある。新旧の運手士が運転席の前のホームで向かい合う。新しく乗り込む人がまず、その列車を示す運行番号を告げる。時間帯をもとにした3けたか4けたの数字で、最後が偶数の場合は上り、奇数は下りを意味する。次に自分の勤務シフトを示す乗務系統番号を伝える。待機に入る側は伝達事項を言い、最後は敬礼で終わる。(梶川伸)
更新日時 2013/04/04