女性のための店づくり 椿や
北大阪急行緑地公園駅の近くに、鶏料理の「椿や」がある。畑本十萌佳(ともよ)さんが1998年10月にオープンさせた。「鶏肉は何と言ってもヘルシー。煮ても、焼いても、揚げてもいい。頼もしい食材」といい、「銘柄による味の違いもおもしろくて、飽きない」と話す。
畑本さんは「椿の花のいさぎよさが好き」なので、店名に椿を入れた。「自分が行きたいお店、女性がひとりでも気軽に入れるお店」をコンセプトにした焼き鳥屋を目指した。鶏肉の卸工場で串打ちの方法や、当時の繁盛店で焼き方を修業して、開店にこぎつけたという。
鶏肉は、さつま知覧どり、播州赤穂どり、但馬どりなどを使う。「食材は全部が脇役であり、主役」と、チリ原産の鶏のアローカナが産む青い殻の卵を見せてくれた。岐阜県養老町の「こだわり生産きむらファーム」から取り寄せる。青い卵は甘味が強くて、生臭くないのが特徴で、畑本さんは、親子丼や出し巻き、卵黄ソースなどに使う。他にも京野菜や大津市の農家で作られる有機野菜、島根県雲南市の木次乳業のパスチャライズ牛乳など、自分で食べて、納得した食材のみを扱っている。「私もそうですが、女性はおいしいものに目がないと思う。店の雰囲気にも、味にも満足してもらえるように、素材選びからこだわっている」と畑本さんはほほ笑む。
6月末にランチ営業を始めた。メニューは日替わりランチ(780円)、親子丼ランチ(800円)、あぶり焼きランチ(800円)がある。取材日の日替わりランチは、から揚げ香味ソース、おばんざい4種盛り、十六穀ブレンド米、みそ汁だった。また、夜は外出しにくい子育て中のお母さんのために、夜メニューのおすすめをセットにしたお得ランチ(1500円)も用意した。(進藤郁美)
更新日時 2012/07/11