読者とゆく能勢街道第7回 36人参加
マチゴト主催の「読者とゆく能勢街道」の第7回が5月3日にあり、36人の読者が参加した。阪急池田駅をスタートし、能勢街道だけではなく、五月山動物園にも足を延ばした。案内人は連載記事「能勢街道をゆく」を執筆した梶川伸が務めた。
一行はまず、江戸時代には「牛追い坂」と呼ばれた坂を登って池田文庫へ。文庫の庭を通り、有名な石灯篭(いしどうろう)の模造品を見物した。ここには、奈良・東大寺のものなど、関西の寺社にある有名な灯篭のレプリカが配置してある。
池田城跡公園を散策した後、五月山動物園へ行った。この日は動物園が企画した動物の曲芸の初日で、ヤギの「お手」や「橋渡り」など、愛敬のある芸を楽しんだ。また、動物園の職員の案内で人気のウォンバットなどを見て回った。
能勢街道に戻り、本町通りの古い有形文化財の建物や家並みも鑑賞した。1700年代に建築され、頼山陽や板垣退助らが出入りした稲束邸、1918年に建てられた近代西洋建築の旧加島銀行池田支店、明治初期の吉田酒造を見学した。旧加島銀行では、現在入居している河村商店の人の案内で、銀行時代の金庫などを見た。落語ミュージアムにも寄り、説明を受けた。
最後は猪名川のほとりにあった大衆演劇場、呉服座(建物は愛知県犬山市の明治村に移転)の跡を訪れた。説明の石碑の前で、街道歩きに参加したマチゴト川柳の選者、田中螢柳さんが、歩きながら作った句を披露して、散会した。(梶川伸)
◆田中螢柳さんが街道歩きで詠んだ句は次の通り
池田城城主を気取る天守閣 (池田城跡公園)
ビッグハーブ一曲奏でん春の歌 (同)
山の名に偽りはなしさつき燃ゆ (五月山)
アルパカのハート見つけたカメラアイ (五月山動物園)
どうですか“うめー”でしょうと山羊のショー(同)
衣がえ羊も毛皮脱ぎたそう (同)
見えかくれ恥ずかしがりやのウォンバット (同)
呉春の香嗅いで酒蔵通りすぎ (呉春酒造)
左ききに素通り罪な呉春蔵 (同)
繁栄の往時をしのぶ虫籠窓 (稲束家)
大正の匂いが残る大金庫 (旧加島銀行)
東京駅の金吾をしのぶ赤煉瓦 (同)
三枝出て来そう高座の金屏風 (落語みゅーじあむ)
出囃しにひょっこり三枝出て来そう (同)
白鵬に挑むか猪名川政右ヱ門 (西光寺力士の碑)
呉服座の幟無名の旅役者 (呉服座)
呉服座が余生を送る明治村 (呉服座跡)
=2012.05.04
更新日時 2012/05/04