読者とゆく能勢街道第3回 23人参加
「マチゴト豊中・池田」主催の第3回「読者とゆく能勢街道」が12月3日にあり、23人が参加した。
阪急服部駅をスタートし、旧能勢街道とその周辺を巡りながら、岡町駅まで約3時間歩いた。案内役は「能勢街道をゆく」を執筆した梶川伸と、マチゴト川柳の選者の田中螢柳さんが務めた。
服部駅に近い純正寺の妙見宮常夜灯や、能勢街道時代の道標を見学した後、豊中市曽根西町2の法華寺へ。参道にモミジの木が10本ほどあり、ちょうど見ごろで、参加者の中にはカメラを向ける人も多かった。
能勢街道をそれて、桜塚古墳群の大塚古墳、御獅子塚(おししづか)古墳、南天平塚(みなみてんぴんづか)古墳に寄った後、再び能勢街道に戻った。岡町駅の近くでは、江戸時代の建物を修復したギャラリー「桜の庄兵衛」や、「タニマチ長屋」と呼ばれる歴史を重ねた集合住宅にも立ち寄った。
原田神社では、田中さんが境内にある子葉(赤穂浪士・大高源五の俳号)の句碑「うら枯れや餅(もち)にとどまる桜塚」について解説した。句意は「子葉は東下りの途中、俳諧師(はいかいし)水田西吟を桜塚に訪ねた。時は師走に近かった。近くの家では正月を迎える餅つきをしていた。そんな光景を見て、子葉は餅にひかれて、桜塚で年を越すことにした」だという。田中さんは、街道歩きの最中に作った川柳も披露した。
最後に、手塚治虫生誕資料展示室を設けている木村勝さんから、手塚の豊中での足跡の説明を受けて散会した。(梶川伸)
◇田中螢柳さんの句は次の通り。
猪買いに団体で行く能勢街道(池田道)
旅人の昔をしのぶ常夜灯(西琳寺前の「おかげ灯篭」)
先輩の遺徳をしのぶ三義塚
黄門さんのルーツがここに三義塚
コロッケの匂い素通りさせぬ店(玄華屋=コロッケ屋)
被葬者は知らず埴輪の列つづく(御獅子塚古墳)
肩寄せ合う長屋の名残りあたたかし(タニマチ長屋)
元禄の昔をしのぶ句碑一つ(原田神社・子葉句碑)
うら枯れや餅はなくとも小休止(打ち止めに)(同)
治虫館鉄腕アトムに迎えられ(手塚治虫生誕資料室)
更新日時 2011/12/05