読者とゆく能勢街道8回に29人参加
「マチゴト豊中・池田」の読者参加イベント「読者とゆく能勢街道」の8回目が6月2日、阪急池田駅を起点にして行われた。読者29人が参加し、能勢電鉄鼓滝(つづみがたき)駅まで約7キロを歩いた。
まず呉服神社に参拝した後、「炭しょっぷ・だん」に寄り、経営者の壇正規さんに池田炭の話を聞いた。「池田炭はクヌギの木を使う。ウバメガシを使う備長炭(びんちょうたん)では火力が強いので、池田炭は茶道に使われた。千家の初釜では、必ず池田炭が使われる。切り口が菊の花の形をしていて、灰になってもその形が残る。池田炭は燃えると二酸化炭素を出すが、クヌギは切っても幹から新しい枝が出て、二酸化炭素を吸収し、それ以上の酸素を出すので、エコの燃料だ」。壇さんは炭一般にも触れ、「炭は電磁波を防ぐので、IT企業の中には、パソコンのそばに置いている会社も多い」と語った。
伊居太(いけだ)神社、絹延橋を通って、細河地区へ。細河緑の案内所では、NPO法人「細河みどりの郷」の秦孝雄代表理事から、植木の郷・細河の説明を受けた。「昔は海が入り込んでいて、細河は塩の影響で土地があまり良くない。そのため、細河で育った植木は、庭に植えるとよく育つ」と秦さん。「いつ来てもらっても、さまざまな花がある。ただし、駐車場が少ないので、バスで来てほしい」と地元をPRした。
植木を見ながら進み、陽松庵に参拝した後、最後の見学場所の慈恩寺へ。池田市の友好都市、中国蘇州市から贈られた寒山寺の名鐘のレプリカついた後、マチゴト川柳の選者、田中螢柳さんが歩きながら作った句を披露した。(梶川伸)
◇田中螢柳さんの句は次の通り
織姫にお針上達願をかけ (呉服神社)
狩野派の迫力杉戸の鷹と鶴 (同)
秀吉も利休も愛でし池田炭 (池田炭)
菊炭のオブジェ炭の香部屋に満つ (同)
千木天に伊居太神社の神さびぬ (伊居太神社)
絹延とはゆかぬ流れや夏の川 (絹延橋)
火の見櫓まだ現役で村守る (細河)
斜線橋ハープの音色聞かさんか (同)
わが庭に欲しい植木が二三本 (同)
毘沙門天池田の町を見下ろして (陽松庵)
嫋々と寒山古寺の鐘響く (慈恩寺)
寒山寺の鐘に蘇州を思いおり (同)
=2012.06.04
更新日時 2012/06/04