北摂麺大使③ 豊中市・烈火
庄内の「烈火」は山形ラーメンの店だ。山形ラーメンと言われても関西人にはなじみが薄いが、山形市は1世帯あたりのラーメン消費量が、全国の県庁所在地の中で日本1というラーメン王国なのだ。
店主の浮島栄二さんは大阪出身。10年ほど前に山形へ移り、そこで知り合った友人の勧めもあって、ラーメン屋を開いた。「よそ者の俺が作ったラーメンを、山形のおじいちゃんが『うまい』と言ってくれた時は、震えるほどうれしかった」と話す。2011年に大阪に戻り、若い時に働いていた庄内に店を構えた。
頂いたのはスタンダードな山形ラーメンに近いという「4種の魚介しょうゆラーメン」(650円)。なるほど香りが素晴らしい。麺(めん)をすする前にレンゲでスープだけを飲み続け、うまみが舌の上で踊る幸福感に浸ってしまう。
「ちょっと変わってるけど、試してよ」と、追加してくれたトッピングは「納豆」。山形の郷土料理「納豆汁」にヒントを得たものだといい、魚介だしの効いたスープで臭みが抑えられ、食べた時のみ口の中でその風味が広がり、意外なほどうまい。「塩ラーメン以外ならどれにでも合うよ」。今後は常に追加オーダーすることになりそうだ。(礒野健一)
【烈火】豊中市庄内東町2-3-10▽090-5256-8339▽11時半~14時、19時~午前2時▽日曜定休
更新日時 2012/02/01