疑問を聞く①空港の離発着 強い南風で逆向きに
大阪空港の飛行機の離発着は、風向きによりどう変わるのか。国土交通省大阪空港事務所の先任航空管制官、赤池一寿徳さんに聞いた。
大阪空港は南東から北西に向かって滑走路が伸びている。通常は六甲山系に向かって南側から着陸し、北方へ離陸する。赤池さんは「通常運用が99%」だと言う。残り1%は春先から梅雨時や台風接近時など南よりの風が強い時、逆向きの離発着に変わることが多い。
逆向きの基準は、追い風となる南東の風が約10ノット(風速5m)を超える状態が継続すると予測される場合。管制責任者が判断すると、上空の空域を管制する関西国際空港のターミナルレーダー管制に連絡、到着機の流れの中で、タイミングなどを見計らって変更される。この時、大阪空港事務所は大阪国際空港周辺都市対策協議会(11市協)にも変更を連絡する。変更の継続は通常は長くても3時間ほど。
変更時の飛行機の着陸経路は、北側に山があるため、通常通り南側から進入するが、西へ周回して北側へ回り込む「サークリングアプローチ」という方式が取られている。
大阪空港は7人の管制官が1チームとなり、3交代で業務している。管制官は常に気象庁の風の予報を注視しながら飛行機誘導の指示を出している。赤池さんは「様々な機種の離発着が1日平均320回、繁忙期は370回あるうえ、1人の管制官が2本の滑走路の離発着と滑走路の横断機を同時に管制する難しい空港」と話す。
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(進藤郁美)
更新日時 2011/07/20