このエントリーをはてなブックマークに追加

疑問を聞く②豊中が中核市に 保健や福祉の事務が簡潔に

 「豊中市が中核市になると聞きましたが、住所が変わるのはいつからですか?」

 豊中市・中核市推進チーム長の志水巧さんの元に電話がかかってきた。電話の主は、豊中市が中核市という名前に変わるのだと誤解したらしい。

 豊中市は2012年4月1日から中核市に移行する。だが4月以降も名前は豊中市のままなので、住所を書き変える必要はない。

 中核市とは、日本の大都市制度の1つで、人口30万人以上の都市が指定対象になる(豊中市は約39万人)。自治体は人口規模によって4つの区分(普通の市町村、特例市、中核市、政令指定都市)に分けられ、規模や能力に応じて都道府県が持つ事務権限が移譲される。大阪府内では、高槻市や東大阪市がすでに中核市に指定されている。

 中核市には政令指定都市に準じた事務の権限が移譲される。保健衛生や福祉に関するものが多い。例えば、これまで大阪府が審査し交付していた身体障害者手帳が4月以降はすべて豊中市で扱われるなど、行政サービスがより身近で簡潔になることが期待できる。

 現在大阪府が管理している豊中保健所(桜塚4)の設置と運営についても、豊中市に移譲される。ただ、場所も建物もこれまでと変わらず、保健所としての仕事も従来通り。市民にとっては変化を実感しにくいところだが、志水さんによると「新型インフルエンザのような強力な感染症が広まるなどした場合、大阪府を通さずに直接国から情報を得られ、迅速な対応ができるのは非常に大きい」のだそうだ。ただ、変化を実感するのが、こんな案件であってほしくはないが。(早川方子)

更新日時 2011/09/04


関連地図情報

関連リンク