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疑問を聞く⑦ 公衆電話は減っている?

阪急池田駅前には普通の電話ボックスと車椅子で利用できる電話ボックス(右)が並ぶ

 最近、公衆電話を見かけなくなったような気がする。NTT西日本に聞くと、「いつでもどこでも使える」という公衆電話の役割は携帯電話に奪われ、利用率も減少した。稼働率の低下で採算性が取れなくなり、少しずつ設置台数を減らしているという。
 2012年3月末の公衆電話の設置台数は、豊中市633台(2007年3月末1049台)、池田市166台(同286台)となっている。そのうち、公衆電話ボックスの数は豊中市152、池田市35で、車椅子で利用できるボックス数は豊中市4、池田市3となっている。NTT西日本エリアでは2012年3月末で約12万台。5年前(2007年3月末)より約5万台減っている。
 広報室によると、公衆電話は電気通信事業法によって2種類に分けられている。第1種は総務省の基準に基づいて設置が義務付けられている。戸外での最低限の通信手段を確保するのが目的で、市街地は500メートル四方ごと、その他の地域では1キロ四方ごとに1台を設置している。
 もうひとつは、NTTの経営判断で設置、廃止できる第2種。撤去が相次いでいるのはこの第2種だ。「第1種は利用が少なくても廃止せず、今後も台数を維持していく。第2種は通話料が12カ月平均で4000円未満の場合、公衆電話を設置してもらっている受託者の同意を得たうえで廃止し、収支改善に努めていく考え」だという。
 NTT西日本は2012年6月、災害時の通信手段確保のため公衆電話の設置場所をホームページ(http://www.ntt-west.co.jp/ptd/map/index.html)で公開した。これまで防犯上の理由から非公開だったが、「場所が分からない」といった利用者の声が増えたため、公開することにしたという。災害時などの活用を想定し、地図上に電話のマークを表示。屋内、屋外のどちらにあるかも分かるようになっている。広報室は「東日本大震災などの大規模災害時、携帯電話は発信や着信の規制をかける。それに対し、公衆電話は優先的につながるよう設定している。緊急時の通信手段として役立ててほしい」と話している。(進藤郁美)

更新日時 2013/01/09


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