寺の花ものがたり
寺は岩湧山(いわわきさん)の中腹にある。山頂の標高が897.7メートルだから、500メートル前後だろう。一帯は大阪府の森林公園「岩湧の森」として整備され、ハイ...
「こぼれ落ちるように咲く」。住職の宮崎快尭さんは、萩(はぎ)の花をそう表現する。「もの寂しい感じがする。静かにものを考える秋にはいい」とも言う。 115段...
参道の150段ほどの石段を登ると、開放的な境内に出る。摩耶夫人(まやぶじん)堂に百日紅(さるすべり)の赤い花が咲きかかっていた。女郎花(おみなえし)と石仏に囲...
お盆のころに、高砂百合(たかさごゆり)が本堂を囲むように咲き誇る。清らかな白い花には、戦争の記憶が込められていると、阪田良介住職の母育子さんから聞いて驚いた。...
まち中の狭い通りを入って行った所に寺はある。住職の山本真照さんは「このあたりから応仁の乱が始まった。広い寺領を持っていたようだが、戦火で焼かれて」と語る。いま...
奈良の市街地から柳生(やぎゅうに抜ける道筋に寺はある。道路沿いから境内が始まり、堂宇はこんもりとした林の自然に包まれている。桔梗(ききょう)は一群(ひとむら)...
「嵯峨(さが)は早朝がきれい。もやがかかった嵐山は絶景。霧が上がっていくのもいい。自然の流れが大切なんや」。宗務総長の栂(とが)承昭さんが言う。だから、「天龍...
蓮(はす)は仏教とのかかわりが強い。「蓮は明けの明星が消え入るころに、ポンといって開くという。お釈迦さまも明けの明星が消え入るころに、お悟りになった。悟りの発...
山あいの寺は、すぐ東側が急な斜面になっている。本堂を見下ろして、山百合(やまゆり)が自生している。とは言っても、住職の阿部憲雄さんと妻春美さんが、百合の周りを...
沙羅(さら)とも言うが、住職の真田義永さんは夏椿(なつ・ばき)の言い方を好む。「和名らしい感じがする」と。 山門の前に5本の木が植えてある。1番大きいもの...