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心にしみる一言(294) 枝は20間四方に広がり、花が咲くと、白雪に覆われたように白くて美しい、と記している

樽見の大桜

◇一言◇
 枝は20間四方に広がり、花が咲くと、白雪に覆われたように白くて美しい、と記している

◇本文◇
 友人の車に仲間が乗って、兵庫県養父市大屋町の樽見の大桜を見に行ったことがある。樹齢は1000年を超えるといわれ、兵庫県では最大のエドヒガン桜。
 山の中にある。駐車場から山道を約500メートル登る。あいにく小雨となり、ぬかるんだ道を歩いた。途中で石積みの低い塀が段になって続いている。説明板があって、昔の桑畑の跡だそうだ。
 桜はジャングルジムの中にいるように、支柱がたくさんつけてあった。雨と霧で煙っていて、写真はうまくは撮れないのが残念だった。
 説明版があった。樹高は3.8メートル、幹回りは目通りで6.3メートル、根周りは7.0メートル。地上2メートルのところで幹が分かれ樹冠の広がりが東西14.4メートル、南北21.1メートル。
 幹の下の方はどっしりとしているが、上の方は折れてしまったのか、細い枝ばかにになっている。ちょっと痛々しい。
 取り上げた言葉も、説明文の中にあった。出石藩の儒学者だった桜井舟山が文政6年(1823)に見学して、「仙桜」と命名した。さらに、地誌「校補但馬考」に「この樹は、元禄(1688~1794)前後に最も盛んで、当時は高さが五丈を超え、枝は20間四方に広がり、花が咲くと、白雪に覆われたように白くて美しい、と記している。
 そんな美しさと大きさを誇った桜だが、昭和40年頃から枝が腐朽して樹勢の衰えが深刻な問題となり、平成9年から兵庫県教育委員会、兵庫県樹木医会が樹勢回復の治療を続けているそうだ。(梶川伸)2021.03.17

更新日時 2021/03/17


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