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心にしみる一言’(279) 何もかもが四国に当てはまる

霊山寺

◇一言◇
 何もかもが四国に当てはまる

◇本文◇
 1995年12月、初めて四国の遍路に出た。1~2カ月に1度、2泊3日ずつ9回に分けて、自転車で巡拝した。
 遍路のことを全く知らずにスタートしてこともあって、1番霊場・霊山寺で芳村超全住職(当時)に遍路の手ほどきを受けた。遍路と四国を上手に結びつけたおもしろい内容あったので、メモに残した。その神髄が上記の言葉だった。その組み合わせを列挙すると――。
 徳島が東、高知が南、愛媛が西、香川が北。順に春夏秋冬。
 少年、青年、壮年、老年。生、老、病、死。
 目覚め、修行、悟り、涅槃。阿閦(あしゅく)、宝生、阿弥陀、不空如来。
 四季も心の面からも、何もかもが四国に当てはまる。
 島ひとつを境内とみる。右周りに 365里。
 遍路の意味は、点じゃなくて、道にある。1人で日数をかけて歩くので、雑念が消え、発想の転換になる。最初は娑婆っ気が抜けないが、55番くらいまて行ったら、ありがたや節ですよ。
 お大師さまは、心配して見守っている。まばたきもせず見守っている。

 そして、自らの寺のPRも忘れなかった。「結願すると、お礼参りに1番に帰る。死にっぱなしではいけない。生き返って往生する。そのために、お礼参りをする」。なかなか、持って行き方がうまかった。(梶川伸)2020.12.28



更新日時 2020/12/28


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