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心にしみる一言(269) 事業経営で一番根本になることは、経営理念を確立すること

2004年当時の松下資料館の案内パンフ

◇一言◇
 事業経営で一番根本になることは、経営理念を確立すること

◇本文◇
 関西学術研究都市の一部「ハイタッチリサーチパーク」(京都府木津川市)が、自宅から歩いて15分あまりの場所にある。その中に松下資料館があった。経営の神様と言われた松下幸之助に関する資料を展示する施設だった。今は別の場所に移ったようだが。
 資料館を時々訪ねた。無料のうえ、入館者はほとんどいなので、ノンビリと展示を見た。興味をひいたのは、松下幸之助の言葉だった。最も気に入ったのはが、取り上げた言葉だった。「事業経営で一番根本になることは、経営理念を確立すること。①この会社は何のために存在しているのか②この会社はどのようなやり方で経営を行っていくのかを示す」
 「経営の神様」なので、もっと実務的、具体的な言葉を想像したが、そうではなかった。基本の基本だが、その大もとこそが何よりも大切だということなのだろう。
 理念を大事にした人だから、そこから派生したであろう言葉も多かった。例えば「企業は公器」。それをはっきり示すものがある。昭和4年制定の会社の綱領は「営利と社会正義の調和に念慮し、国家産業の発展を図り、社会生活の改善と向上を期す」としている。昭和21年改訂の綱領は「産業人たるの本分に徹し、社会生活の改善と向上を図り、世界文化の進展に寄与することを期す」と踏襲している。
 ほかにも書き留めた言葉をいくつか紹介する。▽企業が社会にプラスをもたらしてこそ、社会が繁栄する▽自社製品の市場占有率を高めることだけを考え、損を覚悟で売るのは、資本による暴力にほかならない▽世間一般は正しい判断力を持っている。そういうところに、安心感がある▽商人としての大事な3つの条件①商売の意義が分かっていなければならない(お客様の役に立つことを生きがいとしながら工夫を重ね、収支を成り立たせる)②お客様の心が読めなければならない③相手より頭が下がっていなければならない
(梶川伸)2020.11.03

更新日時 2020/11/03


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