このエントリーをはてなブックマークに追加

心にしみる一言(256) 今は2歳半になって、保育園にいます

美食倶楽部で食べた海鮮丼

◇一言◇
 今は2歳半になって、保育園にいます

◇本文◇
 「昭和だなあ」という言い方がある。私たち団塊の世代が、昭和時代の名残のような光景を見て、自分が生きてきた古き良き時代を思い出して言う。
 2013年のことだった。遍路旅の先達(案内人)でみなさんを案内し、愛媛県今治市で昼食をとった。店は朝倉ふるさと交流館の中にあった。「美食倶楽部」という名前はいいが、おしゃれなわけでもなく、素朴な食堂といったたずまいだった。
 その店を選んだのには、わけがあった。実は1年半前にも訪ねていて、その時のことが印象に残っていたからだった。
 交流館は物産の販売店とセットになったまち起こしの施設だった。地域の香りがする親しみやすさがあった。赤ちゃんをおんぶした女性が接客をし、料理を運んできた。それが、昭和を感じさせたのだった。
 最近は赤ちゃんをおんぶしている姿はほとんど見ない。その姿が懐かしかったし、おんぶのままお客さんの前に出る人なつっこさに好感を持った。そして2回目の昼食となった。
 店の女性に、前回の思い出を話してみた。女性は「それは私です」と話し、そして上記の言葉へとつながった。ニコニコしながら。
 私が企画する遍路旅では、昼食はなるべく地元のものを食べることにしていた。注文したのは海鮮丼。その日の海鮮はカンパチ、甘エビ、サーモン、タイ、マグロ。これが温かいご飯の上に乗っている。しかも、たれはしょうゆにゴマ油を混ぜていた。
 たまたま、ほかの団体の予約も入っていた。そこで、公民館で使うような長机を動員しての対応で、それもこの施設らしかった。
(梶川伸)20.09.09

更新日時 2020/09/09


関連リンク