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心にしみる一言(250) チケットは捨てないで。フランスのモネの庭でも使えます。

北川村のモネの庭

◇一言◇
 チケットは捨てないで。フランスのモネの庭でも使えます。

◇本文◇
 高知県北川村に、「モネの庭」という植物園がある。画家のクロード・モネがフランスのマルモッタンにスイレンを描くために造った庭があり、それを模している。何度か訪ねたが、行くたびに係の人が言うのが、上記の言葉だ。
 庭の人から聞いた話がおもしろい。小さな北川村が、村おこしの知恵を絞った。考え付いたのが、モネの庭だった。モネやマルモッタンと何か関係があったわけではない。そこがまた、おもしろい。
 最初の接触は、アポイントメントもとらずに訪ね、断られたという。何度も足を運び、その熱意が通じて、許可が出たらしい。きっと村の職員の「北川村を何とかしたい」という思いが通じたのだろう。本物にそっくりな庭をつくる許可を得た。
 良い時期に行くと、ピンクや白、青と、色々な色の花が、池一面に広がっている。係の職員によると、スイレンには温帯性と熱帯性のものがある。青いスイレンは熱帯性で、モネが栽培しようとしたが、フランスは緯度が高くて気温が低いため、育てることができなかったという。
 高知は日本の中でも暖かい、モネが夢見た青いスイレンが毎年咲く。そんな結びつけもあってか、チケットは本物の庭でも使えるのだろうが、小さな村のスケールの大きさが楽しいではないか。(梶川伸)2020.08.10

更新日時 2020/08/10


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