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心にしみる一言(243) あ、新婚旅行で泊まった宿

臨水の内装

◇一言◇
 あ、新婚旅行で泊まった宿

◇本文◇
 四国の遍路旅の先達(案内人)をしていて、昼食場所には気を使う。参加者の楽しみの1つが、食事だからだ。夕食は宿に任せざるをえないので、昼食はリーゾナブルな値段で、なるべく地元のものを食べるようにしている。
 高知市の料理旅館「臨水」で昼食をとったことがある。1500円ほどのすき焼き定食だった。地元のものは、すき焼きにつける卵。トサジローという高知のブランドで、本当なら鶏肉にしたいところだが、それは量が少なく、あまり手に入らないらしい。
 この場所を選んだのは、建物を見てほしかったからだった。数寄屋造りの2階建てで、昭和22年完成した。高知の銘木や石をふんだんに使っているので、見る楽しみがある。月の出からの月の動きを、幻灯のようにして見せる仕掛けもあった。
 参加者が、しきりと内装のしつらえをみていた。そして、食事になって急に言った。それが上記の言葉だった。
 40年も前のこと。建物を見ていたのは、その時の記憶を呼び起こしていたからだった。思わぬ偶然に、この場所を選んだことを喜んだ。(梶川伸)2020.07.01

更新日時 2020/07/01


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