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心にしみる一言(239) 白く変わる葉は上から3枚だけ。しかも表だけ。

両足院の半夏生

◇一言◇
 白く変わる葉は上から3枚だけ。しかも表だけ。

◇本文◇
 梅雨の時期、京都市・建仁寺の塔頭(たっちゅう)、両足院の書院の縁に座り、半夏生(はんげしょう)の庭を眺めたことがある。
 庭園の中心は池になっている。その周りを、たくさんの半夏生が飾っていた。すっと伸びた茎から、葉が幾重にも出る。
 花は小さな穂のようで、ごく薄い緑を帯びた白。咲き方は弓なりになって垂れ下がる。花が咲くころに、葉は上の方だけが白く変わる。葉の緑と白の組み合わせが、涼やかに見える。半夏生は葉を楽しむ。
 半夏生とはもともと、暦の上で七十二候の1つで、夏至から11日目のことを言う。7月2日ごろになる。植物の方の半夏生は、このころに花をつけ、葉が白くかわるので、その名がある。
 寺の人の説明を、上記の「一言」に書いた。もう少し詳しくする。「白く変わる葉は上から3枚だけ。しかも表だけ。花が終わるとまた緑に戻る。やがて茶色に枯れていく」。だから、「半化粧」とも書く。
(梶川伸)2020.06.13

更新日時 2020/06/13


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