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心にしみる一言(240) イグサ栽培は、灯心を作る伝統を守るため

安堵町で見たイグサ栽培

◇一言◇l
 イグサ栽培は、灯心を作る伝統を守るため

◇本文◇
 遊び仲間と奈良県安堵町をブラブラした時だった。水を張った田のような場所で、農作業をしている男性がいた。緑の細長い植物を栽培している。
 尋ねてみると、イグサだという。面積が小さい。わずか2メートル×10メートルほどだった。イグサは畳の原料だが、それにしては栽培面積が家庭菜園のような規模で、あまりにも狭すぎる。疑問に答えて教えてくれたのが、取り上げた言葉だった。
 イグサの茎の中に白い芯が通っていて、それを灯芯にするそうだ。今でも寺では油を燃やす時に、イグサの灯芯を使うということを聞いたことがある。
 安堵町では灯芯のためのイグサ作りの伝統があった。しかし今ではほとんど作っていないとか。この男性は灯芯を守る会の世話役をしていた。突然話しかけたのに親切に説明してくれ、地元の伝統を守ろうとする気持ちに感服した。(梶川伸)2020.06.18

更新日時 2020/06/18


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