心にしみる一言(240) イグサ栽培は、灯心を作る伝統を守るため
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イグサ栽培は、灯心を作る伝統を守るため
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遊び仲間と奈良県安堵町をブラブラした時だった。水を張った田のような場所で、農作業をしている男性がいた。緑の細長い植物を栽培している。
尋ねてみると、イグサだという。面積が小さい。わずか2メートル×10メートルほどだった。イグサは畳の原料だが、それにしては栽培面積が家庭菜園のような規模で、あまりにも狭すぎる。疑問に答えて教えてくれたのが、取り上げた言葉だった。
イグサの茎の中に白い芯が通っていて、それを灯芯にするそうだ。今でも寺では油を燃やす時に、イグサの灯芯を使うということを聞いたことがある。
安堵町では灯芯のためのイグサ作りの伝統があった。しかし今ではほとんど作っていないとか。この男性は灯芯を守る会の世話役をしていた。突然話しかけたのに親切に説明してくれ、地元の伝統を守ろうとする気持ちに感服した。(梶川伸)2020.06.18
更新日時 2020/06/18