寺の花ものがたり(237)長弓寺(奈良県生駒市)紫陽花=6月中旬~7月上旬
紫陽花(あじさい)でも知られる寺だが、訪ねたのは時期が終わるころだった。
小さな山門をくぐり、参道を行く。右手は松並木で、左側は紫陽花。一般的な種類の花がほとんどだが、赤と青、その中間のいろいろな色合いを楽しむのには良い。
山門をくぐらず、自動車も通る参道の横の細い道も良い。右手の山の斜面に紫陽花が植えてあり、一面を覆っているところもある。株自体はそれほど大きくないので、花も小さめ。特に青のグラデーションが涼やかで、数が多い時には、控えめな大きさが緑の葉とあいまって、かえってその効果が増すような気がする。
参道はやがて左に折れ、石段を登っていく。そこで紫陽花とは離れるが、今度はしっとりした国宝の本堂が待っている。
◇長久寺(ちょうきゅうじ)◇
奈良県生駒市上町4445。近鉄奈良線・学園前駅北口から学研北生駒行きバス乗車、
真弓4丁目下車、徒歩5分。近鉄奈良線・富雄駅東出口からバス、生駒上町下車、徒歩5分。富雄駅から北へ3キロ。0743-78-2468。寺蔵の書物では、聖武天皇の勅願で行基が開創したとされる。本堂は弘安2年(1279)の銘が棟礼に残されており国宝。本尊は十一面観音。境内自由。
(梶川伸)=状況が変わっていることもありますので、ご了承ください。2020.05.08
更新日時 2020/05/08