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心にしみる一言(232) 静かな甲子園

高松の象徴の1つ、玉藻城

◇一言◇
 静かな甲子園

◇本文◇
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、甲子園のセンバツ高校野球が中止になり、パラリンピックも延期になって、思い出した言葉がある。25年ほど前に、高松市で勤務のころに聞いた「静かな甲子園」だ。
 その年、全国盲学校野球大会が31年ぶりに復活し、香川県立盲学校のチームも出場した。そのを応援していた知り合いの女性が、大会を表現した言葉だった。高松の象徴の1つ、玉藻城の近くにあった彼女の経営する本屋で話し込んだ時だった。
 ボールの転がる音を頼りにプレーをするので、観客は無言で応援する。緊張感の漂う静かな感動があるらしい。
 私は見たことがないので、その女性の言葉で盲人野球を表現してもらった。「全盲打者が打席に入ったり、全盲の野手が捕球したりする場合には、静寂を保たなければならない。そんな緊張感の中で、選手は音に敏感に反応する。静かな甲子園の感動は、無言の中で広がる」
 にぎやかな応援合戦の甲子園とは対照的な、もう1つの甲子園がある。今年の場合は、大相撲などの無観客試合があり、静かな甲子園と似た雰囲気を少し経験したが。(梶川伸)2020.04.30

更新日時 2020/04/30


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