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寺の花ものがたり(228) 石光寺(奈良県葛城市)紅丁字=1月下旬~5月下旬

2020年1月15日撮影

 石光寺は「花の寺」として知られる。特に有名なのは、冬の寒牡丹(かんぼたん)だろう。ワラで組んだ三角帽子の中で、寒さに耐えて咲く。
 冬牡丹はその時期に合わせて咲かせるように育てるのだが、寒牡丹は冬の時期に咲く品種だという。葉はほとんどなく、花も小さめなので、春の牡丹のような派手さはない。しかし、そのけなげな姿は、冬の花としての趣がある。
 寒牡丹を見に行ったのだが、ほかの花も楽しむことができた。山茶花(さざんか)や蝋梅(ろうばい)もよく咲いていた。寒咲き菖蒲(あやめ)も多かった。
 境内の一角で、赤い花を見つけた。高さ2メートル近い2本の低木に咲いている。名札がつけてあり、紅丁字(べにちょうじ)と書いてあった。
 1つ1つは細長いラッパ状。それがぼんぼりのようにまとまって、木のあちこちの枝から下がっている。
 調べてみると、開花時期は長く、冬でも暖かければ咲くそうだ。冬に赤い花は目立つ。白壁の前では、なおさらのこと。評判になるような花ではないが、そんな木も植えているのが、花いっぱいの石光寺らしいと思った。

◇石光寺(せっこうじ)◇
 奈良県葛城市染野387。0745-46-2031。近鉄二上神社口から徒歩20分。拝観有料。天智天皇の時、この地に光を放つ三大石があり、掘ると弥勒(みろく)三尊の石造が現れて、堂宇を建立したと伝えられる。本尊は阿弥陀如来。中将姫伝説ゆかりの寺。関西花の寺霊場第二十番。
(梶川伸)=状況が変わっている可能性もありますので、ご了承ください2020.01.08

更新日時 2020/02/08


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