このエントリーをはてなブックマークに追加

寺の花ものがたり(224) 秋篠寺(奈良市)萩=9月中旬~下旬

2019年9月23日撮影

 秋篠寺は自宅からミニバイクで、10分ほどの距離にある。歩いても1時間ほどだから、フラリと行ってみることがある。伎芸天が人気の寺なので、奈良方面に遊びにきた友人を案内することもあり、結構行く回数は多い。
 今回はミニバイクで地元野菜を買いに行き、その帰りに寄ってみた。拝観料を払って境内にはいるわけではない。塀の外側の苔(こけ)の庭が美しく、それを見るためだった。
 萩は境内へ入り口までの参道に植えてある。数はそれほど多いわけではないが、20株ほどはある。花の色は白とピンク。同じくらいの数で並んでいる。
 苔との組み合わせ、古い土塀や瓦などとの対比がいい。花が小さいので、散策を邪魔しないように静かに咲いているように思える。
 天気ははいいのだが、台風の接近で風は強かった。か細い萩の茎が風に揺れ、サワサワと鳴る。小さな花は風に実を任せ、苔や土の上に散っていった。秋の風情にふさわしい花。

◇秋篠寺(あきしのでら)◇
 奈良市秋篠町757。近鉄西大寺駅から西に1.2キロ。074-245-4600。拝観有料。奈良時代末、光仁天皇の勅願による開基と伝えられる。本尊は薬師如来(重文)。伎芸天は重文で、芸能の守護神として信仰を集めている。ほかに帝釈天、日光菩薩・月光菩薩、地蔵菩薩などが重文。
(梶川伸)=状況が変わっている可能性もありますので、ご了承ください2019.09.23

更新日時 2019/09/23


関連リンク