このエントリーをはてなブックマークに追加

寺の花ものがたり(222) 帯解寺(奈良市)芙蓉=9月上旬~下旬

2019年8月24日撮影

 奈良で帯解寺は、お産の時に腹帯をもらう寺として知られている。一方で芙蓉(ふよう)はよく見かける花なので、特に「帯解寺の芙蓉」として取り上げるほどでもないかもしれない。
 奈良市内ではあるが、中心部からはかなり離れた場所にあり、普段はそれほど参拝客が多いことはない。ブラリと行って、芙蓉の時期に行き合わせればうれしい。その程度の寺と花の組み合わせだろうが、色合いが柔らかな花なので、寺には似つかわしい花だと思う。
 本堂の横手から裏側にかけて、芙蓉が植えてある。数は10本ほどだから、多いわけではない。それも高い木ではない。その普通さが、見やすいし、写真にも撮りやすい。色はピンクと白。これもオーソドックス。
 寺務所では人の胴体だけのマネキンに腹巻きをつけて展示し、腹帯を授けている。あまり見かけない光景と、普通の芙蓉の対比がおもしろい。

◇帯解寺(おびとけでら)◇
 奈良市今市町734。0742-61-3861。JR帯解駅から徒歩5分。境内自由。文徳天皇の皇后は子どもに恵まれなかったが、帯解子安地蔵に祈ると出産した。天皇は天安2(858)年に伽藍(がらん)を建立し、帯解寺と名づけたと伝えられる。
(梶川伸)=状況が変わっている可能性もありますので、ご了承ください2019.09.02

更新日時 2019/09/02


関連リンク