心にしみる一言(202) この灯を消したらあかん
◇一言◇
この灯を消したらあかん
◇本文◇
取り上げた言葉は、よく使われる。今回紹介するのは、1998年に開通した明石海峡大橋に伴う言葉だった。
明石海峡大橋の開通とともに、淡路フェリーが運航をやめた。その前に乗っておこうと考えて、神戸市・須磨港から兵庫県・淡路島の大磯港の間を往復した。
須磨港に行くと、20分おきくらいにフェリーが出た。しかし、廃止になることはどこにも書いてなかった。乗っている時間は50分ほど。明石海峡大橋に向かって進み、手前を南下して、淡路島・淡路市の大磯港へ。こちらにも、廃止のことは書いてなかった。
港のそばに、渡舟食堂がある。友人の知り合いだったので、訪ねてみた。漁師が営むいわゆる大衆食堂で、皿に乗った食べ物がズラリと並んでいる。さすが、魚料理が多い。刺し身、煮付け。漁の範囲は300㍍から500㍍ほど。メバルやカサゴが中心という。
淡路フェリーの廃止で、どのような影響をうけるのだろうか。そう心配すると、前年にネオンの看板を新しくしたという。「この灯をけしたらあかん」。店の心意気だった。
毎日新聞が開いている近畿広報紙セミナーで、頼まれて講師をしている。毎年、淡路市の議会広報紙の編集委員会の市議が、グループで受講する。渡舟食堂のことを聞いてみると、しばしば食べに行くのだという。灯はともり続けている。(梶川伸)2019.08.03
更新日時 2019/08/03