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寺の花ものがたり(213) 白峯寺(香川県坂出市)紫陽花=6月上旬~中旬

2018年6月8日撮影

 梅雨の時期の遍路は嫌なものだが、雨の風情が心地よい寺もある。81番札所・白峯寺もそうだ。
 山門に向かう参道の、紫陽花(あじさい)の道になっている。その中に、十三重石塔がある。源頼朝が崇徳(すとく)上皇の菩提のために寄進した伝えられる。
 崇徳上皇は保元の乱により、讃岐に流された。白峯寺には上皇の廟(びょう)がある。
その悲運によって、上皇に憐憫(れんびん)の思いを寄せる人は多く、西行も廟を訪ねている。一方で、都では上皇の怨霊が恐れられた。
 山門をくぐり、そんな歴史を背景にした寺に入る。境内の中で、手水(ちょうず)から本堂や大師堂へは、石段を登っていく。その段差の斜面一面に、紫陽花が植えてある。このため、紫陽花は立体的で、見栄えがいい。
 寺はモミジの名所でもある。雨にぬれた青モミジ、雨に洗われた青い紫陽花の花。シットリとした落ち着きの中での参拝も、いいものだと思う。
 
◇白峯寺(しろみねじ)◇
 香川県坂出市青海町2635。JR坂出駅から車で20分。0877-47-0305。弘仁6(815)年に空海が、白峯山中に如意宝珠を埋め、堂を建立したのが始まりと伝えられている。本尊は千手観音。
(梶川伸)=状況が変わっている可能性もありますので、ご了承ください2019.05.27

更新日時 2019/05/27


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