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寺の花ものがたり(212) 八栗寺(高松市)菩提樹=6月上旬~中旬

2018年6月9日撮影

 四国霊場85番・八栗寺へ、ケーブルカーで登った時のことだった。下の登山口駅で女性が駅員さんに、近くの池の布袋葵(ほていあおい)がいつごろ咲くかを聞いていた。
 奈良県橿原市の元薬師寺跡にある池は、布袋葵が一面に咲き、最近は観光名所になっている。私も何度か見に行った。そこでは7月から咲き始め、開花時期が結構長いので、彼岸花と一緒に撮ることができる。そんな話を女性に告げ、花の時期はもう少し後だろうと伝えた。
 ケーブルの山上駅から寺までは、緑に包まれて歩く。本堂の前に大きな菩提樹(ぼだいじゅ)の木があり、お参りの後で花を見に行った。黄色い小さな花がいくつか寄り添って、下向きに咲いていた。5分咲き程度だった。
 カメラを向けると、ケーブルの駅で会った女性が先に、写真を撮っていた。聞くと地元の人で、お参りではなく、菩提樹の花を撮るのが目的でやって来たという。初めてではないとも話していた。布袋葵といい菩提樹といい、花の好きな女性なのだろう。

◇八栗寺(やくりじ)◇
 高松市牟礼町牟礼3416。高松琴平電鉄「八栗駅」から徒歩25分で八栗ケーブル登山口駅。ケーブルに乗って山上駅から徒歩5分。087-845-9603。375メートルの五剣山の8合目。五剣山は宝永3(1706)年に、大地震に遭い、5つあった嶺のうち東の1つが中腹から崩壊した。本尊は聖観音。
(梶川伸)=状況が変わっている可能性もありますので、ご了承ください2019.05.21

更新日時 2019/05/21


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