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寺の花ものがたり(209) 慈眼寺(徳島県上勝町)石楠花=5月上旬~中旬

2014年5月10日撮影

 遍路の先達としてみなさんを四国に案内する。一回りして、思い出を聞くと、たいていの人が別格3番・慈眼寺(徳島県上勝町)をあげる。
 ここには穴禅定(あなぜんじょう)という修行場がある。鍾乳洞(しょうにゅうどう)の中に入って行くが、非常に狭いので、この修行場の先達の女性の言う通りにしないと、5カ所ほどの難所で体がひっかり、通り抜けられなくなる。わずか100メートルほどの往復だが、この石楠花(しゃくなげ)の写真を撮った時には、メンバーの中の何人もがトラブルを起こし、洞窟から出てくるのに1時間半もかかってしまった。
 寺は標高600メートルの場所にある。5月に行くと、寺は花が多い。小さな牡丹(ぼたん)園があり、満開だった。藤棚もあり、それほど長くはないが、花の房を下げていた。
 ここではまず大師堂に参る。ここから15分ほど山道を登り、本堂へ向かう。本堂の横に穴禅定がある。石楠花は堂の前に咲いていた。淡いピンクだから、目に優しい。穴禅定の中での苦闘と、対照的な穏やかな花。
 山道には躑躅(つつじ)も咲いていた。白と淡いピンク、それより少し濃いピンク、それにピンク。淡い色が多いので、これも目に優しい。

◇慈眼寺(じでんじ)◇
 徳島県勝浦郡上勝町正木灌頂瀧18。JR徳島駅から車で1時間10分。寺伝にると延暦年間(782年~805年)に空海(弘法大師)が、悪竜を洞窟の壁に封じ込め、十一面観音を刻んで洞窟の前に堂宇を建立したのが始まりとされる。四国別格20霊場3番札所。本尊は十一面観音。穴禅定は有料。
(梶川伸)=状況が変わっている可能性もありますので、ご了承ください2019.05.03

更新日時 2019/05/03


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