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寺の花ものがたり(200) 長谷寺(奈良県桜井市)桜=3月下旬~4月上旬

2008年4月4日撮影

 長谷寺の桜は、全体を眺めた方がいい。
 境内は広い。斜面になっていて、そこに堂塔が立ち、階段状の回廊「登廊(のぼりろう」もあって、立体感がある。桜の木は建物の間に立っている。
 本堂の舞台から見下ろすと、境内の大半を眺めることができる。堂塔の周りを、桜の花が埋める。染井吉野のほか、山桜や紅枝垂れ、下向きに濃い赤の花をつける桜などが入り混じる。
 山門から本堂へ登りながら、境内を見上げる。桜に木蓮(もくれん)や山茱萸(さんしゅゆ)が重なり合う。
 淡い色の花の共演で、寺全体がほんのりとした春に包まれる。春がすみの中にいるような気がしてくる。

◇長谷寺(はせでら)◇
 奈良県桜井市初瀬731。近鉄長谷寺駅から徒歩15分。0744-47-7001。道明上人が天武天皇のために千仏多宝仏塔を安置し、徳道上人が聖武天皇の勅命で十一面観音をまつったのが起こりと伝えられる。真言宗豊山派の総本山。西国観音霊場8番。入山有料。
(梶川伸)=状況が変わっている可能性もありますので、ご了承ください2019.03.16

更新日時 2019/03/16


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