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寺の花ものがたり(197) 立江寺(徳島県小松島市)利休梅=3月中旬~下旬

2013年3月23日撮影

 遍路旅の先達をしている。あるシリーズは参拝に加えて、花もテーマに1周した。昔ながらの良い遍路道は歩き、ほかはバスで移動するむしのいい遍路だが、これは難しかった。
 通常は1番から88番へ順番に巡る。しかし、花もテーマにしていたので、札所の花の時期に合わせたり、札所以外の花の名所を訪ねたりしたので、順番通りの遍路ではなく、あっちへ飛び、こっちへ飛び。このために、大阪から1泊2日で計17回を要した。しかも、計画は1年前に立てているので、なかなか花の時期に合わない。毎回のように、参加メンバーに平謝りだった。
 3月下旬の遍路のことだった。この回は徳島県中部の参拝だったが、うまくいったと自負している。花の方は四国に渡る前の淡路島・花さじきの菜の花、徳島市旧家老屋敷「原田家」の早咲きの蜂須賀桜や、勝浦町の和菓子屋「前松堂」の前の広場の河津桜を予定していた。いずれも、時期がピッタリ合った。
 しかも、18番恩山寺から19番立江寺の間の遍路道を歩くと、道中は花盛りだった。樒(しきみ)、蓮華(れんげ)、梅、木瓜(ぼけ)、辛夷(こぶし)、四手辛夷(しでこぶし)、木蓮(っこくれん)。
 立江寺に着いて、迎えてくれたのが利休梅(りきゅうばい)だった。本堂から大師堂に向う場所に生えていて、5分から7分咲きだった。
 白いさわやかな花。寺に名前を聞いて、利休梅と確認した。実はそのころ、地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」の仕事で豊中市や池田市を動き回っていた。池田市の逸翁美術館の庭に生えている利休梅が好きだった。
 その利休梅が立江寺で見ごろだった。それまで、その時期に行っていなかったのだろう。予定していなかった清楚な花を見て、得をした気分になった。

◇立江寺(たつえじ)◇
 徳島県小松島市立江町字若松13。JR立江駅から徒歩15分。0885-37-1019。天平19(747)年、行基の開創とされる。本尊は延命地蔵菩薩。四国霊場19番札所。境内自由。
(梶川伸)=7=状況が変わっている可能性もありますので、ご了承ください。2019.02.27






更新日時 2019/02/27


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