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心にしみる一言(182) 田に張った水は泥水となって川に出て琵琶湖に流れ込む。わしらはええが、琵琶湖がかなわんやろ

冬の琵琶湖

◇一言◇
 
 田に張った水は泥水となって川に出て琵琶湖に流れ込む。わしらはええが、琵琶湖がかなわんやろ。

◇本文◇
 2001年に大津市で、世界湖沼会議が開かれた。その関連で、琵琶湖の環境を守る農家の取り組みを取材したことがある。その時に知ったのが、不耕起栽培だった。
 琵琶湖の東岸は近江米の産地として知られる。琵琶湖に流れ込む宇曽川の近くで、活動のリーダーの話に、耳を傾けた。
 《耕起栽培は、名前通りの農法だ。耕せば、田に張った水に泥が混じり、それが川を伝って湖に流れ込む。泥水汚染は、琵琶湖の深刻な問題の1つになっていた。以下は、リーダーの説明だ。
 普通は収穫の後、来年の準備でいったん耕す。酸素を入れ、土を細かくする。水はけにいいように。しかし、これをしない。田植えの5月まで置きっぱなし。
 普通は4月20日すぎ、水をはって耕す代かきをする。これもしない。
 植える10日前から水を張る。田植え機が違う。3センチ四方で深さ3センチ掘る。これが1度に5列。ちょっちょとローターがかいていく。》
 この方法では、収穫量が1割減ると話していた。それでも実施するのは、取り上げた言葉が示している。子どものころ、自転車に乗って行き、泳いだ琵琶湖でもある。(梶川伸)2019.02.19
 

更新日時 2019/02/19


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