心にしみる一言(177) 一度枝を切ると、3年間は花をつけないけど(どうぞ)
◇一言◇
一度枝を切ると、3年間は花をつけないけど(どうぞ)
◇本文◇
冬は花が少ない。それでも咲く花は、春を待ちわびる気持ちを共有してくれるような気がして、親しみがわく。蝋梅(ろうばい)もそうで、春に先立って香気のある黄色い花を咲かせる。
高松市に住んでいたころ、蝋梅を育てて出荷している人を訪ねたことがある。分かりにくい道を尋ねながら行くと、その男性が待ちかねていたように、外に待っていてくれた。その瞬間、人柄が分かったような気がした。
まず20本ほどの木がある裏山に案内してくれた。次に40本ほどの前の山へ。1月下旬のことで、満月蝋梅の大きな黄色の丸い花が開き始めていた。1月いっぱいが時期だそうだ。早く咲くのが素芯臘梅で、12月から咲く。
唐臘梅は、真ん中が紫色で少し変わっている。その説明の時に、上記の言葉が出た。そういいながら、土産に枝を3本ほど折ってくれた。最後まで優しい人だった。蝋梅の時期になると、思い出す。(梶川伸)2019.01
更新日時 2019/01/12