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寺の花ものがたり(192) 浄住寺(京都市右京区)紅葉~2018年の特別公開は12月2日まで

2018年11月27日撮影

 浄住寺の入り口で聞くと、「秋の特別拝観」は、2017年からだという。友人が訪れたが、紅葉は少し時期が早かったと、フェイスブックに書いていた。そこで行くのを遅らせていたが、会期の終わりを近づいたので、出かけてみた。
 紅葉はちょうど良い時期だった、天気も良い。入山し、ゆるい石段を登っていく。石段は古びていて苔(こけ)も生え、しっとりとした趣がある。
 両側にもみじの木が並んでいた。紅葉を逆光で見ると、緑から黄色、そして赤へと透明感のあるグラデーションを見せる。寺の雰囲気に似て、清々しい。
 それにしても、思ったほどの数ではなかった。入り口で寺の人に話をすると、9月4日の台風で、130本のうち30本が倒れたのだという。それなら、と納得した。
境内には亀甲竹と、四角い茎をした四方竹の小さな林がある。ほかに山茶花(さざんか)の木が数本。ピンクの山茶花は散って、地面を染めていた。茶と萩は花が残っていた。
 本堂で説明を聞いた。天台宗で始まり、律宗を経て、黄檗(おうばく)宗になったという。このためか、禅宗の寺では方丈の庭園は枯山水が多いのに、ここは池泉式。縁に座って庭をながめる。方丈の庭園は枯山水ではなく、池泉式。筒から流れ落ちる水音を聞き、視線を上げると、塀の向こうに紅葉が輝いていた。

◇浄住寺(じょうじゅうじ)◇
 京都市西京区山田開キ町9。阪急上桂駅から徒歩15分。075-381-029。
810年(大同5年、弘仁元年)に嵯峨天皇の勅願により、円仁(慈覚大師)が開創したと伝えられている。当時は「常住寺」と号していた。本尊は如意輪観音。拝観有料。
(梶川伸)=状況が変わっている可能性もありますので、ご了承ください2018.11.29 

更新日時 2018/11/29


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