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心にしみる一言(164) 遍路ブームの出発点は大阪毎日新聞の記事

先達を務めた遍路の様子

◇一言◇
 遍路ブームの出発点は大阪毎日新聞の記事

◇本文◇
 「四国遍路の近現代」(創元社)を著わした三重大学の森正人さん(当時)を取材したことがある。2005年だったと思う。四国八十八カ所を巡拝する遍路ブームがピークのころで、年間の参拝者は10万人とも推測された。
 森さんは著書でブームの底流を探った。その出発点と位置づけているのが、大阪毎日新聞(現毎日新聞)が1908年に連載した記事だという。2人の記者が逆向きに回り、見聞を報告するとともに、2人が出会うまでの日数を読者に予想させた。
 それから約100年たって私は、遍路ブームの中で、遍路旅の先達をしていた。今もそうだ。古巣の記事が大きな影響を与えたのを知って、何だかうれしい気持ちで帰社したのを覚えている。
 1934年には大阪朝日新聞(現朝日新聞)が連載し、乗り物も利用する「モダン遍路」を提唱した。私の遍路旅は歩きも随分取り入れているが、基本的にはバスツアーで、モダン遍路の延長線上のことをしているのも面白く感じた。(梶川伸)2018.07.27

更新日時 2018/07/27


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