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心にしみる一言(153) 食べないと眠くない

比叡山

◇一言◇
 食べないと眠くない

◇本文◇
 比叡山・天台宗に千日回峰という難行がある。1000日間、比叡山の山中を駆け回る。途中で9日間、堂にこもって、10万枚の護摩をたく行がある。その間は断食、断飲、不眠、不臥を自分に課す。
 満行した人を訪ね歩いたことがある。その中の1人に、光永澄道師がいた。JR湖西線堅田駅からタクシーに乗った。約4キロ、比叡山の2、3合目にある寺だった。山が迫っていて、なかなか風情があった。
 いろりを切った部屋で、何杯ものお茶を頂きながら、話を聞いた。修行というものが、厳しさの中にも合理的に組み立てられていることを教えられた。過酷な9日間の堂入りについては、取り上げた言葉がそうだった。
 「食べないと眠くない」というのは、実は、眠くならないように、食べないのかもしれない。護摩をたくために、その助として100日間、塩を抜くそうだ。そうしておくと、体が火に強くなり、まゆげは燃えても、体は燃えないようになるのだとも言った。(梶川伸)2018.04.14

更新日時 2018/04/14


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