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心にしみる一言(152) 防災訓練することは大事だが、それを地区の人に見てもらうことで、意識が高まる

防災公園のベンチは収納庫にもなっていて、協議会が選んだ工具が入っている

◇一言◇
 防災訓練することは大事だが、それを地区の人に見てもらうことで、意識が高まる

◇本文◇
 東京都墨田区京島は京成曳舟(ひきふね)駅のすぐ東側に位置する。木造住宅の密集地で火事や災害に弱いまちだったが、道路の拡張や耐火性の強い集合住宅の建設など、防災を考えたまちづくりを進めている。そこを訪ね、住民と行政が協力する先進的な取り組みを取材したことがある。
 住民側の中心は京島地区まちづくり協議会で、ソフトの面を担当する。消火隊という組織を作り、防災訓練を定期的に行っている。阿部義栄会長が強調したのが、取り上げた言葉だった。その効果があってか、「若い層が訓練に参加している」と話した。防災意識の世代間の継承がうまくいっている気がした。
 協議会が取り組んでいるのはほかにもある。防災マップ、簡易消火栓、道路の行き止まりを示す注意看板の設置、ソーラー照明灯の設置、水道を貸してくれる家に張る表示シール、放水器具の配備など。
 阿部さんは「区も私たちを助けてくれている。しかし、何かあった時に守るのは私たち自身。そのために、大事にしているのは人と人のつながり」と、この地区の特性である下町コミュニティが地域力の源泉になっていることを強調した。「おせっかいなまち」という表現も印象に残った。(梶川伸)2018.03.29

更新日時 2018/03/29


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