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寺の花ものがたり(150) 大野寺(奈良県宇陀市) 枝垂れ桜=4月上旬

2005年4月7日撮影

 大野寺は室生寺(むろうじ)とセットで訪ねることが多い。最寄りの駅も「室生口大野」という名前だ。
 川に沿った小さな寺。対岸に大きな磨崖仏(まがいぶつ)が彫られている。高さは14メートルもあり、国内で1番高い磨崖仏とされる。寺にはそれの参拝所が設けてあり、普段は磨崖仏を見るために立ち寄るような、ノンビリとした静かな寺のたたずまいを見せる。
 大野寺の境内は広くない。その境内に、小糸枝垂れ桜、紅枝垂れ桜が10本あまり。細い枝が枝垂れて土を目指すので、花のかぶり物をした気持ちになる。
 大きい木が2本。それは美しいが、訪ねた時はちょうど見ごろだったせいか、人が多すぎた。それをのぞけば、連翹(れんぎょう)、雪柳、木瓜(ぼけ)、椿、山茱萸(さんしゅゆ)といった春の花が競い合っていて、なんだかウキウキしてくる。

◇大野寺(おおのでら)◇
 奈良県宇陀市室生大野1680。近鉄室生口大野駅から徒歩10分。0745-92-2220。役行者が開き、天長元年(824)、弘法大師によって堂宇が建立されたと伝えられる。本尊は弥勒菩薩。役行者が開き、天長元年(824)、弘法大師によって堂宇が建立されたと伝えられる。本堂には地蔵菩薩立像(重要文化財)が安置されている。無実の娘を火あぶりの刑から救ったという伝説から、「身代わり地蔵」として親しまれる。拝観有料。
(梶川伸)=状況が変わっている可能性もありますので、ご了承ください2018.03.19











更新日時 2018/03/19


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